はじめに
伊豆の旅もいよいよ本番に近づいていた。伊豆の内陸へ入っていく。修善寺へと続く道だ。私は三島での余韻を残しながら、まずは宿泊先の伊豆長岡へと向かった。
どうして伊豆長岡を選んだかは、はっきりした理由はなかった。ただ、自分の勘や勢いに任せてのことであった。次の朝富士を見ることができたことは、結局伊豆長岡を選んで正解であった。こういう巡りあわせもあるものだと、旅の不思議さを改めて感じた。

旅行にはときには「勘」や「直観」も大切かもしれない。思いもいしない出会いがある。
伊豆箱根鉄道に乗って
三島から「伊豆箱根鉄道駿豆(すんず)線」に乗る。列車は19.8キロの距離を修善寺に向かう列車だ。ローカルの列車に乗れるのも旅の醍醐味なのではないか。しかし、悲しいかな、この列車は今年で減便するとのこと。やはり少子高齢や人口の減少で利用者が減ってるのだろう。

さて長岡に近づくにつれて、このわくわく感はたまらないものだ。列車からの景色はこの「中伊豆」を感じるのに十分なものだった。乗客はスーツケースを持った人が多く、地元の人はそれほど多くなかった。旅行客のためにも便は減らさずこのまま列車が残ってもらいたいものだ。

窓の景色に心を奪われているうちに、伊豆長岡駅に着いた。三島から伊豆長岡まで思ったより近いものだと感じた。今回の伊豆の旅は行く場所行く場所、計画していた時間より早く着く。距離が短いためか、非常に旅をしやすいと感じる。また旅行しやすく案内も充実していて、駅ごとに案内板はさることながら、休憩所、お土産屋、ベンチなど待ち時間も退屈させない。旅行者に配慮が行き届いている。日本なのか旅行者には優しいと感じる。

日本にいるとわからないものだが、一歩海外に出るとこの日本の旅行地での配慮は世界にはまねできないものがあるかもしれない。ただ、英語圏の人はやはり英語でのコミュニケーションの足りなさに不満をもらしているようだ。今後の改善点かもしれない。
弘法の湯(長岡店)で
伊豆長岡駅から徒歩で宿へ向かう。天気は曇りでやや雪がちらほらと降ってきた。雨宿りも兼ねて、ガストに入った。下田街道沿いにあるガスト。今後の旅行日程などを確認した。繁華街でもない旅行地にも気軽に入れるレストランがあるとは。ありがたい。
しばらくすると雪は止んでいた。今回止まる宿は「弘法の湯」だ。何よりも温泉を目当てにしていた。ガストを出ると川のほうへと向かう。そこに大きく「ようこそ伊豆長岡温泉」と立て看板が立ててあった。いよいよ温泉に来たなと実感。

狩野川という川を渡る。のどかな川だ。富士から流れてくる水だろうか。しばらく眺めていた。

その千歳橋からまっすぐ道なりを進む。突き当りから左に折れるとそこが長岡温泉だ。自然に囲まれた温泉街。いよいよ温泉を十分楽しむ時間だ。
宿泊場所は「弘法の湯」。ここは、薬石岩盤浴と源泉掛け流しの温泉が特徴だ。特に、北投石とバドガシュタイン鉱石を使用した岩盤浴は、健康増進や美肌効果が期待できとなっている。岩盤浴の入り方は次のように入るとなっている。

岩盤浴の入り方
まず、館内着に着替えて、岩盤浴専用のスペースに入る。床に敷かれた薬石の上にバスタオルを敷いて横になり、じんわりと温まる。だいたい 10~15分 横になったら、一度休憩して水分補給。これを 2~3回 繰り返すのが一般的。韓国にもチムジルバンという施設があり、汗蒸幕という蒸し風呂があるがこれに似ている。しかし、こちらのほうがうよりリラックスできた感があり、何よりも岩盤浴内の霧状に降り注ぐミストサウナがより癒しを与えてくれるようだった。
また、水分補給用に北投石回帰水を無料で飲むことができる。サウナと交互に水分補給も欠かせない。


温泉の入り方
まず、掛け湯やシャワーで体を流してから入る。ここの温泉は「源泉掛け流し」なので、温泉成分をしっかり肌に吸収させるために、長湯しすぎず 10~15分 くらいで一度休憩するのがポイントだそうだ。サウナがある場合は、温泉 → サウナ → 水風呂 の順に入ると、血行が良くなるとされる。
岩盤浴と温泉を交互に楽しむことが秘訣!温泉には洞窟のような岩がむき出しになっているところがある。やや恐怖感はあったが、これも日本ならではの神秘的な景色で、冬の温泉に浸かりながら自然と一体になれるようだった。
翌朝の富士
さて温泉と食事をじっくり楽しみ、次の朝を向ける。旅行先の朝は早い。早く起きて散歩が日課になっている。この日の朝もそうだった。
ややうっすら暗いのだが、見知らぬ街を歩く。それは朝日が見れるかもしれないという期待からだった。伊豆の国区役所の方面を歩く。すると右側に大きな山が。「富士山」だ。
まだ朝焼けの時間の富士が顔を出す。白い雪と赤く染まった富士は何とも言えない。しかし、どうしても全体を見ることができない。どこを歩いても山やビルに隠れていしまっている。
そこであることを思いついた。近所の丘のほうに「ニュー八景園」なるホテルがある。そこからなら見えるかも。一目散で駆け上がる。するとなんと富士がくっきり見えるではないか。

旅行先の早起きのかいがあった。朝の散歩に出なければこの富士にはあえなかっただろう。旅行地の宿泊ではなるべく朝はゆっくりしたいと言いたいところだが、旅の早起きにはご褒美がたくさんある。ホテルや旅館の周辺を散歩をする。

旅行地では朝の散歩をすすめたい。6時から6時半ごろに起床するとちょうど散歩ができる。ホテルや旅館の周辺を散策してみよう。色々な発見がある。
朝日を浴びながら、その旅行地の風景を楽しむ。昼には味わえない世界がある。旅館では温泉に浸かる前に、朝食の前に、30分から1時間の散歩をすすめたい。
まとめ
三島から南へというとすぐに修善寺へと向かいたいところだが、その途中にある伊豆長岡へ足を運ぶのも魅力的な旅ができる。時間的な余裕があれば、ここ伊豆長岡の温泉でゆっくりしたい。
伊豆長岡は以前は熱海、伊東とにつぐ温泉地だった。熱海から三島そして伊豆長岡というコースも温泉巡りには適している。また伊豆パノラマパークへのロープウェイがあり、そこから片道1800メートルのロープウェイで葛城山山頂に行くことができる。伊豆長岡温泉周辺の街並みを楽しめるだろう。
山頂には碧(あお)テラスがあり、そこからも富士山や駿河湾が一望できる。伊豆の旅行には外せないスポット間違いない。
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