さて、いよいよ専門学校の一日が始まった。ここは韓国。韓国で専門学校に通う。
これは大きな決断であった。迷いに迷った決断。
それでも、まずは「やってみる」というのが決心の理由。だれでもやる前は不安。迷いもある。
今までやってこなかった世界に飛び込む。これは恐ろしい。
今までは先生だった。今後は生徒になる。学びを自ら実践していく。
大学以来の学びの世界に入るのだ。
道具の多さ
まずびっくりしたのは、「道具」の多さ。こんなに何に使うの。
大きなカバン。スーツケースほどの大きさに、セットが入っているようだ。とにかく重い。全部ロッカーに入れるみたいだけど。
道具を見た瞬間、これからの作業の多さを予感。やること多いのかな。
始めてみる、道具の数々。

慣れない言葉
教室に入ると、すぐ先生は駆け寄ってきた。そして、電話番号を記載しながら、すぐさま、その道具を一つ一つチェックするようにと。
チェックリストはハングル。読みずらい。
ハングルは読めるけど、見たことのない単語がずらい。リストの単語も多い。
先生が単語を読み上げるけど、どこに何があるのかもわからない。先が思いやられる。
結局先生がほとんどチェックしてしまった感じ。チェックは終了。
単語覚えられるのか、不安になった。
ハサミを手にする
いよいよ道具を使っての練習。まずはハサミ。手に取ってみると、意外と軽い。

それを、何度か指にはめてみる。そして、水平にして親指だけを動かすことといわれる。
親指だけを動かすことをかなりの間繰り返す。そして、
それを、左手の指、人差し指と中指の間あたりに、ハサミを置くようにして、ハサミを動かす作業。
ハサミの先が指に当たらないように、引くように横へスライスしていくのである。これを、また繰り返す。
それが終わったら、先生が何やら新聞紙の切り抜きをもってきた。これを、左の中指と人差し指の間にいれて、新聞紙を切っていくのだという。
新聞紙が指にはまらない。新聞紙が思うように切れない。そんなことをしながら、新聞紙を切っていく。
指が新聞紙に隠れて見えないので、手を切らないか不安になる。とりあえず、3枚の新聞紙を切り終える。この時点で結構手の筋肉や腕が痛み出す。
髪の毛が固い
次にかつらのある人形を取り出せという。それを、洗面台でリンスをつけて髪を洗ってくる。
女性の長い髪。これが水に濡れると重い。そして、リンスを付けるのであるが、なかなかうまく洗えない。女性のシャンプーは難しそうだ。
でも、結構重要な気がする。女性のシャンプー。
さて、その顔の人形をタオルで巻いて、自分の席にもってくる。水が滴り落ちる。
何とか紙を乾かす。
そして、櫛をつかって、髪を4つのパートに分ける。それをピンでとめるのである。

髪を分けるときに、この櫛の使い方。ほんとに難しい。
いままで、櫛を使ったことがなかった。
これを、30分以上何度もピンを解いては、繰り返し櫛を入れて、髪を分けていく。その時にその分け目の線が曲がったりしてはいけない。
まっすぐになることが必要である。
さらにそれをまとめてピンでとめるのであるが、髪がまとまらない。
髪が乾くにつれて、髪がごわごわしてくる。人間の髪を整えるって、こんなに重労働なのかを知った。
特に女性の髪を整えるのが、こんなにも難しいとは。
周囲は学生
周囲をたまにじろじろ見てみると、学生服を着た学生が多い。
半分ぐらいは、学生だろうか。それ以外の人も、みな若い、20代前半か後半だろうか。
2時間くらいたってから、先生が”では、今日の進度を報告しましょう”という。
私には”今日はけっこう大変だったでしょう。おつかれさま”とねぎらってくれた。
一日目は、全身にだるさを感じていた。
次の日体とくに首のあたりがだるい。ユーチューブなどで、美容の基本の動画でも見ようと思いながら、帰宅した。