著者が早起きを実践したきっかけは早起き会なるものに参加したことがきっかけだったという。
そこは東京都倫理法人会が主催し”企業に倫理を、職場に心を”というスローガンを掲げている企業の健全な発展を図るものであった。
その早起き会を通して気づいたことが
1.親を大切にし、親孝行となった
2.意思が強くなり、早起きを確実にするようになった
3.客観的なものの見方をするようになった
4.健康的に痩せられた
という体験であったという。
朝起きというとどこか資格の勉強のためや出世のためという実利を重んじてしまいがちであるが、倫理的な面を内観することのメリットがあることは、本書を通して気づかされた論点でもあった。
筆者は「誓ひ」というものを非常に大切にする。
毎日の日常生活での人間関係を「誓ひ」というノートにメモ書きしながら、毎日を点検するというもの。それも朝の時間。そして朝の散歩から帰ってきて記録するものである。
「誓い」ノートなるものを実践することが朝起きの目的ともいえる。
筆者は心身の健康とくにうつ病患者への回復アプローチとして
「モーニングケア」を推奨している。
これは実際にアメリカで行われている精神疾患の治療法でもあるが、ここでは「税所式早起き健康法」なるものを提唱している。
1.「誓い」
2.早朝散歩
3.実践ノート
4.早朝体操
5.誓いノートの実践
である。精神疾患患者だけでなく、健康になりたい、さらに生活を改善したいという人に発しているものだという。
早起きが健康特に人間の心に大きな力を与えるメソッドといえるかもしれない。
今まで健康というと、運動せよ、食事を管理せよ、瞑想せよ、などがあったが、朝の早起きが「健康改善」にプラスになるというのは新鮮だった。
さらに、そこから、我々の日々のわだかまった心を見つめなおす機会が、早朝であったこと。
やはり「脳」がすっきりしているときには、心も澄んでいる。だから本心が芽生え自分の心が素直になり、内観・反省・そしてこれからの人生を前向きに決心することができる時間帯なのであろう。
夜日記を書く場合もあるが、夜はどこか悲観的になりやすい傾向がある。朝の時間をジャーナリングやメモをする習慣。これは取り入れたい。
著者のいうメモ流れはこうである。
まず早朝散歩、早朝体操をする。
次に誓いノート。
昨日の反省をし、今日の予定と目標を立て、それを実行する。というもの。これによって、心の状態を安定させることができる。自分への祈りでもあるという。
ここでは、単なるスケジュールを書くだけに終わらず、日々の人間関係で、ぎくしゃくしていることを、許すこと、愛すること、感謝することを祈ったりメモする。
そうすると相手を憎んだり恨んだりする感情が和らいでくるというのである。
この反省と誓いを繰り返すことで、自己反省のノートができ、自分の心理を分析できるというわけだ。
「誓い」は「反省的な誓い」「誓約的な誓い」「祈願的な誓い」に分けられ、反省し誓いそして祈願するという流れである。とくに「祈願」は将来に対する具体的な目的となる。
本書は著者だけの観点から見る朝起きではなく、様々な朝起き会に参加した成功者の例を挙げながら、客観的にその効用を記述している。
特に朝はクリエイティブな発想ができる、ひらめきがある、脳を活性化させることができるといった、ビジネスや研究にも役立つ事例が多いのも魅力だ。
私はこの書を朝起きて読むことにしいてる。
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